世界は残酷で、儚く、そして優しい
海辺にポツンと佇む1軒の小さな家。
そこには“あの日”以来ひとりぼっちになった、みつあみの少女が暮らしている。
みつあみの少女は知らない。
洗濯バサミや石鹸、枕や目覚まし時計、ゴム手袋にぬいぐるみといった
「モノ」たちがガヤガヤとこの世界について
話し合い、嘆き、励まし合って生きていることを。
「モノ」を通して語られる命の在り様。
「牧場から新しい人たちが来たら、すぐお祝いができるようにって」
「牧場...?」
「僕たちはみんなそう言ってる、こっちの世界のことを」
この物語が紡ぐ世界があらわになる時、
みつあみの少女を取り巻く世界が残酷に、儚く、そして優しく動き出す・・・